2020年9月7日、航空機でマスク着用を拒否したとして、乗客が降ろされるニュースがありました。
北海道の釧路空港から関西空港へ向かうピーチ・アビエーション機での出来事です。
マスク着用拒否で降ろされたケースは、12日に北海道エアシステムでもありました。
相次ぐマスク着用拒否による搭乗拒否について、いろいろと思う所があります。
世間の新型コロナウイルスに対する認識についてです。
来月10月1日から東京除外解除の予定となっているGoToトラベルキャンペーン。
世論調査では相変わらず、キャンペーンへの利用は慎重であり、テレビでのインタビューでも、東京はまだまだ感染が収まらないので見送るべきといった、慎重な意見もありました。
東京の感染者数は100人、200人上回った、下回ったと言ってますが、ハッキリ言えば感染拡大が続いている諸外国に比べれば、抑え込んでいるも同然です。
感染者よりも重要な、重傷者・死者数でも、日本では抑え込んでいる事が分かります。
半年前まで、東京はニューヨークのようになる、油断は決してできないと、メディアは散々言ってきました。
それがどうでしょうか?
軽症・無症状の人が大半をしめ、不幸にもお亡くなりになられた方は高齢者の方です。
もちろん、それは大変不幸な事です。
しかし、新型コロナウイルスだけでなく、高齢者は様々な理由でお亡くなりになってます。
これがもし、若い世代で感染が爆発的に増え(例えば1000万人としましょう)、そのうち1割が亡くなっていると言えば大事です。
しかし、現在の新型コロナの水準は、ほぼ普通の風邪に近い数字や実態になってきてます。
したがって、私は日本人は実態とはかけ離れた恐怖を、新型コロナに対して抱いてる気がしてなりません。
マスク着用の重要性も私は理解してます。
しかし同時に、大声で話したり、唾液や飛沫を飛ばさなければ、感染のリスクを減らすことも分かってきてます。
テレビが散々煽ってきたことが、人々の中に同調圧力を生み、人々からしっかり考える力を奪っている気がしてなりません。
そうだとすれば、とても残念な話です。
今回、ピーチ・アビエーションを降ろされた乗客が取材に答えてました。
双方の言い分を聞いても、実際に現場にいない人にとって、真実は分かりません。
ただその中で、気になった点がありました。
降ろされた乗客がインタビューで、自身の病気に関わることで、マスクを長時間つける事が困難と延べ、マスク着用と座席移動を促されても応じなかった点です。(移動については(自分以外の)気にする人が移動すれば良いと思ったと語ってます)
私も何でもマスク着用には疑問を持ってますし、できれば強制されるべきではないと思います。
しかし、正しいからと言って自身の主張を述べるだけでは、ただのワガママにもなってしまいます。
例えば、以前、とある芸能人が年齢確認ボタンをコンビニで求められた際に「俺が20歳以下に見えるか?」と迫ったそうですが、確かに正論だと思いますが、一方で社会の規範やルールもあり、素直に押せば済む話です。
すくなくとも、その現場で駄々をこねる話ではないと思いってます。
今回の乗客の話もそうです。
正しさをその場で主張した上で、結果として多くの方に迷惑がかかるからと、座席移動すれば済む話だと私は思いました。
私は少なくとも、マスクを強要するような雰囲気に疑問をもってますので、この乗客には同情してます。
しかし、だからマスク着用をお願いされている所で、そんなワガママを通せばいいのか?と言われれば、それは違うと思います。
航空会社も新型コロナの影響でかなりの赤字を出してます。
鉄道など、交通機関は軒並み赤字です。
少しでも安全に移動するため、マスク着用を促したい、航空会社の考えも分かります。
客足を戻すには、機内での安心安全の取り組みも重要です。
しかし、根本的には、日本社会が実態以上の恐怖と、よく調べもせず同調圧力による行動を生んでいる事こそが一番問題だと思います。
それをしたのはメディアやマスコミ、そして都道府県知事を始めとする政治家です。
煽るような報道は止めて、冷静かつ客観的な観点から報道していただきたいと願います。
<参照:マスクしないと飛行機は乗れないの? 降ろされた男性、ピーチ機上で経験した一部始終を語る>
https://www.47news.jp/47reporters/5262357.html
<参照:北海道エアシステム マスク着用拒否の乗客を降ろす>
https://www.htb.co.jp/news/archives_8699.html