リニア中央新幹線。
東京・名古屋・大阪の日本3大都市圏を結ぶ、夢の未来交通機関。
その計画は、1987年にJR東海の社内で始まり、1990年から地質調査などが徐々に行われてきました。
そして2011年5月、整備計画が決定され、まずは先行して東京・名古屋間を2027年開業予定としてスタートしました。
この国策とも言える大事業には、いくつかの障害があります。
その1つが、静岡工区における水問題・環境保全問題です。
静岡工区は、静岡県の南アルプス側、8.9キロの区間の事です。
東京と名古屋の全長区間が286キロで有る事を考えれば、3パーセント程度の区間です。
ここの区間に対し、静岡県知事の川勝平太知事が、工事の認可をしない事で、時折ニュースで話題に上がってます。
なぜ川勝知事が反対しているかと言えば、南アルプスの地下のトンネルを掘ることで、その下流の大井川流域の水が、静岡県外に流れ、減少する懸念があるからです。
大井川流域には、静岡を代表するお茶を始めとした産業、そして62万人の市民が生活をしてます。
川勝知事の反対の思惑は様々な見方がありますが、一応、表向きこの水問題が認可を出せない大きな理由になってます。
これは、知事の意向だけでなく、静岡県議会や流域市町村でも概ね同じような懸念を持ってます。
水問題については、専門家の結論が待たれる状況ですが、現時点で影響が有る・無いの様々な意見があります。
まず私についてで恐縮ですが、私は静岡県に住んでます。
そして私の立場として、リニアは賛成です。
しかし一方で、静岡工区については、100%水の問題を解決できないのであれば、区間変更、すなわち静岡県側を通らないルートも検討すべきだと思います。
もちろん、これまでの地質調査の結果などもあるので、変更と言っても簡単には言えないでしょうが、少なくとも地下を通るので用地買収の問題は無いかと思われます。
ネットでは様々な意見を目にします。
「静岡県は駅が出来ないから駄々をこねている」
「川勝知事は親中派なので、中国のリニア輸出が有利になるよう通せんぼしている」
「国益をそこなう静岡県には地方交付金を止めてしまえ」
「環境左派の陰謀」
静岡県側に否定的な意見を並べましたが、中々 厳しい意見ばかりです。
私はこれらの意見が間違っているかは分かりません。
なので、一人の県民として言わせていただければ、川勝知事にどのような思惑があるにせよ、大井川流域の水が減少するかもしれない、静岡の産業や生活者に不利益が生じる事には、慎重であるべきだと考えます。
工事により水が枯れる例はいくつかあります。
その中で、リニア工事に関連して言えば、山梨県の笛吹市では水枯れが発生しました。
だからこそ、静岡県は同じ事が大井川で起きないよう、より慎重であるべきだし、それならいっその事、区間変更を提案すべきだと考えます。
しかしながら、川勝知事は最近、山梨までのリニア先行開業と富士山周遊コースの話をしたりしてます。
確かに静岡県内への観光も重要かもしれませんが、こうした脇にそれた話が、静岡側が悪の者にされているのではないかという懸念してます。
私は川勝知事の事はあまり好きではありません。
しかし、リニア水問題への取り組みは評価します。
世の中的にはどうしても「静岡県のワガママ」と映ってしまうかもしれませんが、日本は中国のように、その土地を強制徴収したり、環境保全を無視するような国ではないと思ってます。
少しでも、静岡県民が心配していることにご理解をいただけたら幸いです。
<参照:リニア甲府先行開業で協力 静岡知事が山梨に呼び掛け>
https://www.sankei.com/economy/news/200908/ecn2009080029-n1.html
<参照:リニア問題、JR「工区変更の可能性」 静岡県、影響拡大問題視>
https://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/727943.html
<参照:水のない川、干上がった田 山梨で起こった“異変” リニア工事で“水枯れ”は起こるか?>
http://suigenren.jp/news/2019/09/01/12208/
<動画で語った事:超・親中派❗❓静岡県の川勝知事について調べてみました