ウイルスの脅威を想定しマニュアルを作成せよ

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11月4日、香川県三豊市の養鶏場で、ニワトリが大量に死んでいるのを発見し、検査した結果、「H5型」の鳥インフルエンザウイルスが検出されました。

発表を受けて、およそ33万羽のニワトリを殺処分し、半径3キロ以内をニワトリや卵の移動を禁止する「移動制限区域」と、半径10キロ以内をその地域からの出荷を禁止する「搬出制限区域」が設定されました。

菅総理も報告を受け、関係省庁への指示をし、政府は総理大臣官邸の危機管理センターに「情報連絡室」を設置しました。

鳥インフルエンザのニュースは、それほど珍しい訳ではありません。
毎年ではありませんが、日本国内でも発生してます。

日本における鳥インフルエンザ対策は、疫学的な面では厚生労働省・国立感染症研究所、養鶏関連などについては農林水産省、野鳥については環境省が対応を行っているそうです。

鳥インフルエンザウイルス自体は、基本的には人には感染しませんが、絶対に感染しない訳ではありません。
感染した鶏肉や鶏卵の場合、加熱すれば感染の心配もないとされてます。

しかし、ウイルスが変異する事で、人から人への感染が発生する可能性があり、その変異ウイルスが新型インフルエンザウイルスと呼ばれ、世界中へのパンデミックを引き起こす原因になりかねないため、各国は鳥インフルエンザの初期の封じ込めを徹底してます。

元々、現在の人に感染するヒトインフルエンザウイルスは、水鳥の鳥インフルエンザウイルスが変異したものだという説もあります。

いずれにせよ、徹底した対策を取る必要があるのは、家畜への感染拡大だけでなく、最終的には、今年起きたような新型コロナウイルスのようなパンデミックを防ぐためでもあります。

このニュースを見ると、対応の速さが伺えます。
過去何度も同様な事例が発生しており、しっかりマニュアルが整備されているからでしょう。

今回の新型コロナウイルスでは、日本は初動の対応が遅れました。
原因は様々あると思いますが、中国やWHOの発表した「ヒトからヒトへの感染は確認されてない」といった内容を信じたり、様々な要因があると思いますが、個人的には、このような自体に対してマニュアルが整備されてなかった事が一番大きかったのでは無いかと思います。

本来、渡航制限などの政治的な決断が1月の時点で早めに必要だったと思いますが、政治決断ができなければ、マニュアルに沿って国境を封鎖するなり対応すればいいはずです。
しかし、横浜のダイヤモンドプリンセス号の例を見ても、そしてそこから繋がる緊急事態宣言・マスクなどの必要物資の入手困難を見ても、対応は右往左往です。

それと比較すれば、台湾は過去にSARSの被害を経験した事もあり、入国制限やマスクの国民への購入制限、感染者の追跡など見事に機能し、世界の感染要望対策のお手本を見せました。

蔡英文総統の素晴らしい政治決断もあったと思いますが、危機に対するマニュアルもしっかりしていたのだと思います。

実際に危機が無くても、危機の想定は平時でもできるはずです。
今回の新型コロナウイルスで非常に残念だったのは、そのような想定が日本政府には全く無かった事です。
国会では「(新型コロナの対応に対する)法的根拠は何か?」「桜の会について」など、未知のウイルス流入に対して、とにかく対応を取らなければならない状況にも関わらず、そのような対応を真剣に議論しませんでした。

ドイツの鉄血宰相ビスマルクの言葉に「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉があります。

新型コロナウイルスについて、日本は「賢者」ではありませんでしたが、このような「経験」をしたのだから、学ぶ事でせめて「愚者」にはなれるはずです。

鳥インフルエンザの迅速な対応ができる日本なので、今度、新型コロナウイルスと同じように、あるいはもっと致死率の高い恐ろしいウイルスが蔓延する可能性に備え、政府や私達国民は備えなければならないと思います。

<参照:香川 三豊の養鶏場で鳥インフルエンザ 約33万羽を殺処分へ | 鳥インフルエンザ | NHKニュース>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201105/k10012695921000.html

<参照:鳥インフルエンザ – Wikipedia>
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B3%A5%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B6#%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E9%B3%A5%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B6

<参照:鳥インフルエンザに関する情報:農林水産省>
https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/index.html

<参照:鳥インフルエンザについて>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144461.html

<参照:環境省_高病原性鳥インフルエンザに関する情報>
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/index.html

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