かつて存在した「尊属殺人」

血のつながった親子、親族による事件。
最近に限った話ではありませんが、10月4日、東京都練馬区にて息子が父親を殺害する事件が発生しました。
10月3日には愛知県岡崎市にて、甥が叔母を包丁で殺害し、自らも列車ではねられて死亡する事件が発生しました。

殺人事件は、血の繋がりに関係なく痛ましく悲惨なものですが、実態としては親族間の殺人事件は多いようです。
2016年の未遂を含む殺人事件のうち、55%は親族間の殺人というのだから驚きです。
しかし、よくニュースを思い出せば、確かに親族間のトラブルというのは多い印象です。
確かに通り魔のような犯行もありますが、人の恨みというのは最も殺人への動機なのかもしれませんので、親族間というのはそういうトラブルも少なくはないのかもしれません。

こうしたニュースで一つ思い出した事があります。
それは「尊属殺人」です。

尊属殺人とは、祖父母・両親・おじ・おばなど、親等上 父母と同列以上にある血族(尊属)を殺害する事です。

1908年制定の明治刑法には、通常の殺人罪である刑法第199条とは別に、刑法第200条にて「尊属殺人罪」を設けてました。
一般の殺人と比べてより罪が重くなります。

これは、大日本帝国憲法から日本国憲法に変わっても刑法はそのまま残りました。
しかし、昭和48年(1973年)の最高裁判例で、法の下の平等を掲げた日本国憲法下では違憲であると違憲判決の確定判決が下され、それ以降は尊属に関する刑法が適用される事なく、そして平成7年(1995年)に刑法改正で削除されました。

私は、親族間の殺人が多いから尊属殺人を復活させるべきとは全く思いません。
むしろ、どのような殺人であっても、刑法は厳罰化の方向にすべきだと思ってます。

つい先日も「刑務所に戻りたい」という身勝手な理由で出所2日後にバイクに放火した男が逮捕されました。
こちらは殺人事件ではありまえんが、厳罰化を含め、刑務所は戻りたいような快適な場所であってはなりません。

話を親族殺人に戻せば、尊属殺人罪は不要と考えますが、しかし罪の重さ軽さに関わらず、親族同士は争いのタネが多いとは言え、殺人事件に発展してしまうことは悲しい事です。

その中でも、親子による殺人というのは本当に悲惨だと思います。
両親に愛されてこの世に生を受けた子とその親が殺し合う、悲しい極みです。

尊属殺人罪などなくても、人の理性の持つ理性や思いやりをもって、カッとなった瞬間、多くの過ちを犯そうとしてる人が立ち止まる事を願ってやみません。

<参照:尊属殺 – Wikipedia>
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8A%E5%B1%9E%E6%AE%BA

<参照:“栃木 尊属殺重罰規定事件>
http://www.jicl.jp/old/now/date/map/09.html

<参照:殺人事件の大半は親族間で起きている――「束縛する脳」の闇(中野 信子) | FRaU>
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/71424

<参照:東京・練馬区 男性刺される、息子とみられる男を逮捕|TBS NEWS>
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4093726.html

<参照:岡崎で女性刺され死亡 殺害疑いのおいは列車にはねられ死亡か:中日新聞Web>
https://www.chunichi.co.jp/article/131241

<参照:「刑務所に戻りたかった」67歳男、バイクに放火して逮捕 身勝手な動機に怒りの声 (2020年10月5日) – エキサイトニュース>
https://www.excite.co.jp/news/article/Real_Live_200061054/

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